鉄骨梁貫通部耐火被覆「すりーぶたすけ」とは?プロが教えるメリットと施工・認定の注意点

皆さん、こんにちは。

東京都江戸川区を拠点に、関東一円で耐火被覆工事を手掛けている株式会社實川耐工です。


S造(鉄骨造)の建物では、空調・衛生・電気設備の配管や配線を通すために、鉄骨梁へ貫通孔を設けることがあります。しかし、孔を開ける以上、梁の構造強度や耐火性能への配慮は欠かせません。


「スリーブの有効径が足りず、配管ルートの変更が必要になった」

「貫通部まわりの耐火被覆の仕様が複雑で、検査前に不安が残る」


こうした現場で選択肢となるのが、日本インシュレーション株式会社の鉄骨梁貫通部耐火被覆材「すりーぶたすけ」です。


この記事では、「すりーぶたすけ」の特徴やメリット、適用範囲、施工時に確認すべき認定上の注意点を、耐火被覆工事の専門業者の視点から解説します。




■鉄骨梁貫通部耐火被覆材「すりーぶたすけ」とは?



「すりーぶたすけ」は、鉄骨梁に設けたスリーブ管などの貫通孔、つまり配管や配線を通すための穴のまわりに使う耐火被覆材です。梁全体には吹付けロックウールを施工し、その孔のまわりに「すりーぶたすけ」を組み合わせることで、孔の有効寸法を確保しながら、鉄骨梁に必要な耐火性能を満たします。



・わずか6mmの被覆厚で1~3時間の耐火を実現

「すりーぶたすけ」の大きな特徴は、貫通孔まわりの被覆厚を6mmに抑えながら、1〜3時間の耐火性能を満たせることです。高性能熱膨張性耐火ゴムシートが火災時の熱で膨張し、貫通孔まわりから熱が伝わるのを防ぎます。薄い被覆で納められるぶん、スリーブの有効寸法を残せることも特徴です。


ただし、単体で耐火性能を確保する製品ではなく、密度0.28g/㎤の吹付けロックウールと組み合わせて施工します(詳しい材料の特徴は耐火被覆の材料の種類や特徴の記事をご覧ください)。認定書に記載された吹付けロックウールの仕様、梁の条件、貫通孔の条件を確認することが重要です。




■「すりーぶたすけ」を採用する4つの大きなメリット



「すりーぶたすけ」は、貫通孔まわりの被覆を薄く納められるため、配管スペースを確保したい鉄骨造の現場で大きなメリットがあります。とくに、梁下のスペースが限られる建物や、設備ルートの変更が難しい改修工事では有効です。



1. 貫通孔を大きく使える(設備計画の自由度向上)

鉄骨造の建物では、梁下に十分なスペースがない場合、配管やダクトを梁貫通で納めることがあります。このとき、貫通孔そのものは確保できても、耐火被覆後の有効径が足りず、予定していた配管が通らないケースがあります。「すりーぶたすけ」は6mmの薄い被覆厚で耐火性能を確保するため、孔の内側を大きく使えます。配管径を変える、ルートを迂回させるといった変更を避けたい現場でも有効です。



2. 鉄骨梁の構造強度低下を抑制できる

鉄骨梁の貫通孔は、孔の位置や大きさによって、補強プレートや補強リングによる補強が必要になります。耐火被覆が厚いと、配管の有効径を確保するために、貫通孔をさらに大きくしなければならない場合があります。「すりーぶたすけ」は被覆厚を6mmに抑えられるため、必要以上に孔を広げず、梁への影響を抑えた計画が可能です。



3. はりせいを低減できる

はりせい(はりの上下方向の寸法)が大きくなると、天井高さや階高に影響します。配管を梁下に逃がすために天井を下げると、室内が低く感じられたり、貸室としての使い勝手に影響したりする場合があります。「すりーぶたすけ」で梁貫通により設備を納められれば、梁下に配管スペースを大きく取らずに済み、天井高さを確保できます。



4. 耐火被覆材の品質管理が容易

鉄骨梁の貫通部は、スリーブ管や補強材が絡むため、通常の耐火被覆より確認項目が多くなります。「すりーぶたすけ」は貫通孔まわりに使う材料や被覆厚が明確なため、施工範囲を現場で確認できます。吹付けロックウールだけで孔まわりを納める場合に比べ、貫通部の仕様管理が明確になる点もメリットです。




■【重要】適用範囲と各種認定のバリエーション



「すりーぶたすけ」を使う際は、鉄骨梁の形状、貫通孔の条件、補強方法がメーカーの認定条件を満たしているかを確認する必要があります。必要な耐火時間によっても適用できる仕様が変わるため、適用範囲と認定によるバリエーションを把握しておきましょう。



・補強プレートタイプと補強リングタイプの違い

「すりーぶたすけ」には、鉄骨はり無補強タイプ、鉄骨はり側面補強タイプ、鉄骨はり貫通孔内部補強タイプがあります。側面補強タイプでは梁のウェブ面、つまり梁の側面に補強プレートを設け、内部補強タイプでは貫通孔の内側にリング状の補強材を設けます。


同じ鉄骨梁の貫通部でも、補強方法が変われば、適用する認定番号や細部仕様も変わります。耐火1時間、2時間、3時間のどれを求めるかによっても確認内容が異なるため、今回の設計条件に合う認定を確認しておくことが重要です。



・適用可能な補強工法(ハイリング・EGリング等)

鉄骨梁の貫通孔補強には、いくつかの工法があります。代表的なものに、センクシア株式会社の「ハイリング工法」や、日本ファブテック株式会社の「EGリング工法」があります。


「すりーぶたすけ」を採用する場合は、こうした補強工法が耐火被覆の認定範囲に入っているかをチェックしておく必要があります。構造補強として問題がない工法でも、耐火被覆の認定条件に合わなければ、認定工法として扱えない可能性があります。



・市販の補強リングにおける注意点

補強リングと呼ばれる製品は複数ありますが、市販品であれば何でも「すりーぶたすけ」と組み合わせられるわけではありません。メーカーの案内する適用範囲に含まれない補強リングを使うと、認定工法として扱えない可能性があります。


耐火被覆工事では、見た目や寸法が近いという理由だけで材料を置き換えることはできません。補強材を選ぶ段階で、メーカーの資料や認定内容を確認し、使用できる組み合わせかどうかを把握しておくことが重要です。




■【プロの視点】「すりーぶたすけ」の耐火被覆工事における失敗しないポイント



「すりーぶたすけ」は、認定条件どおりに施工して初めて、本来の耐火性能を発揮する工法で、精緻な施工が求められます。ここでは、耐火被覆工事の専門業者として、検査と工程に影響しやすいポイントを解説します。



・認定書に基づいた確実な細部仕様の確認

「すりーぶたすけ」は、貫通孔まわりを6mmの被覆厚で納める認定工法です。その性能を担保するには、認定書に記載された条件を厳密に守る必要があります。吹付けロックウールの密度、適用できる梁のサイズ、補強方法、耐火時間などが認定条件と1mmでも違えば、耐火性能を満たせません。


ここで怖いのは、施工完了後の見た目だけでは、不備が分かりにくいことです。たとえば仕様をよく理解していない業者が施工した結果、補強リングの種類が違う、吹付けロックウールの密度や施工範囲が認定条件とずれている、梁の寸法が認定範囲から外れているというミスが起こります。こうした状態で工事を進めても、完了検査や消防検査で不合格になり、手戻りが発生し、工期に致命的な遅れが生じます(検査時に慌てないための鉄骨造の耐火被覆・耐火性能の確認方法については別記事をご覧ください)。


株式会社實川耐工では、施工前に設計図書とメーカーの認定書を徹底的に照合します。梁ごとの条件、材料、施工範囲、補強方法を厳重に確認したうえで現場に入るため、書類上の不備や施工時の見落としを未然に防ぎます。これまでに清水建設様などの大型現場で「職長」として表彰された実績と品質管理体制を生かし、確実に検査を通す施工をお約束します。



・スムーズな施工のための事前打合せの重要性

「すりーぶたすけ」は、設備配管を通すスリーブまわりの工事です。そのため設備業者、電気業者、鉄骨業者と作業範囲が干渉し、工程の順番を間違えると、現場がストップしたり、配管や耐火被覆を傷つける致命的なトラブルが発生したりします。


よくあるのは、配管が先に通ってしまい、貫通部まわりに吹付けロックウールを施工するスペースがなくなるケースです。反対に、耐火被覆が終わった後で配管を通す際、他の業者が被覆を削ったり、こすって傷つけたりする例もあります。


こうしたトラブルを防ぐには、吹付けを行うタイミングや、配管を通すタイミング、万が一被覆が傷ついた際の補修工事の段取りを、着工前に他業種と綿密に打ち合わせておく必要があります。


實川耐工の強みは、確かな施工技術に加え、大手ゼネコンの大型現場で培ってきた職長としての調整力やコミュニケーション力です。自社の作業をこなすだけでなく、現場全体の工程を見ながら設備業者様とも連携し、手戻りのない施工を実現します。




■まとめ:耐火被覆工事でお困りなら、株式会社實川耐工にお任せください。



鉄骨梁貫通部耐火被覆材「すりーぶたすけ」は、スリーブまわりの有効寸法を確保しながら、鉄骨梁に必要な耐火性能を満たせる工法です。天井内スペースが限られる建物や、配管ルートの調整が難しい改修工事では、設備計画と施工の両面で大きなメリットがあります。


一方で、「すりーぶたすけ」は認定工法なので、補強方法、対応する補強工法、吹付けロックウールの密度、梁の条件、貫通孔の条件などが認定内容と合っていなければ、検査で認められません。単に製品を採用するだけでなく、認定書に基づいた仕様確認と、他業種との事前調整まで行える施工業者に任せることが重要です。


株式会社實川耐工は、東京都江戸川区を拠点に、関東一円で耐火被覆工事を手掛けています。「すりーぶたすけ」はもちろん、一般的な吹付けロックウール、巻付けタイプの「マキベエ」、高品質な「セラタイカ」など、建物の構造や現場条件に応じた工法に対応可能です。


また、新築工事だけでなく、テナントの原状回復、スケルトン解体後の耐火被覆補修、改修工事に伴うアスベストの事前調査・対策まで、現場で起こりやすい問題を踏まえたご相談にも対応しています。大手ゼネコンの大型現場で培った職長としての調整力を生かし、品質管理と工程調整の両面から、手戻りのない施工を進めます。


鉄骨梁のスリーブまわりの納まりに不安がある、耐火被覆の仕様確認を任せられる業者を探している、改修工事で既存被覆の補修までまとめて相談したい。そうしたお困りごとがございましたら、株式会社實川耐工までお気軽にお問い合わせください。




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