皆さん、はじめまして。東京都江戸川区を拠点に耐火被覆工事を手掛けている實川耐工です。
鉄骨を使った建築物の安全性を高めたいときには耐火被覆が活躍してくれます。
むき出しの鉄骨で建物を作った場合には耐火構造になっていると認められず、建物を利用する人の安全性も確保できません。建物の耐火性能が気になるときには、耐火被覆工事を実施して安全性を高めましょう。
今回は、耐火被覆の種類や特徴について詳しく解説していきたいと思います!
■耐火被覆は鉄骨の耐火性を高めるために必要不可欠!
耐火被覆は鉄骨の構造物の耐火性能を高めるために使われます。
鉄骨素材を使えば建物が丈夫に仕上がりますが、一方で鉄骨には火災に弱いという問題点があります。火災によって鉄骨が一定以上の高温にさらされると、鉄骨に変形が起こり建物の崩壊が起きてしまうリスクも考えられます。
むき出しの鉄骨を使った建物は建築基準法違反における耐火建築物と認定されないことがあります。火災が起きても十分な耐火性が確保できる安全な建物であると証明するためにも、耐火被覆によるカバーで耐火性能を上げておく必要があります。
近年では耐火性能を兼ね備えた鉄骨も次々に開発されています。新たに建築される建物には、耐火性能の高い鉄骨が使われるようになってきました。
しかし古い建物の場合には、耐火性能を高めたいからと鉄骨を簡単に取り替えるわけにはいきません。建物の建て直しには大きなコストがかかってしまいます。既存の建物の耐火性能を向上させるためには、鉄骨に耐火被覆を吹き付ける対策が有効です。
耐火性能をもつ鉄骨は一般の鉄骨に比べてコストがかかるため、最近の建物のすべてにこういった鉄骨が使われるわけではありません。新たに建設される建造物であっても、耐火被覆を吹き付けて耐火性能を高めるケースは数多くあります。
■耐火被覆材の種類ごとに特徴をご紹介!
耐火被覆には耐火塗料や耐火シート、セラミック系耐火被覆材、不燃断熱材といった種類があります。それぞれの耐火被覆には異なる特徴があるため、性能を比較して最適なものを選びましょう。
・耐火塗料
近年多く使われるようになった耐火塗料には、鉄骨表面に薄い膜のように施工できるというメリットがあります。施工後の見た目がいいためデザインの自由度が高く、空間効率も良好です。
さらに、最近の耐火塗料は速乾性や耐水性などの性能も向上し、使いやすくなっています。
耐火塗料を鉄骨に塗りつけると、塗膜に発泡の働きが起こります。この発泡によって炭化層が形成され、鉄骨表面を守ってくれるというのが耐火被覆の働きです。
・耐火シート
耐火シートは壁紙によく似たシート状の耐火被覆材で、鉄骨表面に貼り付けるような形で使います。
貼り付けたときの表面がなめらかで美しい仕上がりになるのが、耐火シートを使用するメリットです。また、耐火シートは貼り付けるだけで施工できるので手軽に使えます。工期を短縮したいとき、劣化した耐火被覆をリニューアルしたいときなどには、耐火シートの使用が適しています。
・セラミック系耐火被覆材
耐火被覆にはセラミック系の不燃材料を原料としたものが数多くあります。セラミック系耐火被覆材は熱が生じたときに吸熱反応を起こすことで鉄骨を守ります。
吹き付けた耐火被覆材には厚みがそれほどありませんが、十分に高い耐火・性能を発揮します。さらにセラミック系耐火被覆材は耐久性や防水性も高く、風雨が直接当たる屋外、強い冷気にさらされる冷凍冷蔵倉庫などの厳しい環境でも使用できます。
・不燃断熱材
不燃断熱材とは、断熱効果と不燃性能を兼ね備えた湿式不燃材です。
吸音性やリサイクル性に優れているため、近年では多くの現場で不燃断熱材が使われるようになりました。オフホワイトなど明るい色調の不燃断熱材は、スケルトン仕様の天井に使っても自然な仕上がりになります。
不燃断熱材は発泡プラスチック系断熱材の不燃化工法としても利用が可能です。
■代表的な耐火被覆材3つについて詳しくご紹介!
ここからは、よく使われる耐火被覆材の特徴を紹介していきます。
ロックウールやスプレエース、マキベエは性能が高く使いやすい耐火被覆材です。それぞれの耐火被覆材には以下のような特質があります。
・ロックウール
ロックウールは耐火被覆材としてだけでなく断熱材としてもよく使われる素材です。その原料は鉄の生産の際に出る高炉スラグや天然岩石をブレンドした人造鉱物繊維です。無機物素材であるロックウールは燃えにくく、さらに湿気に強いという特質を持ちます。
ロックウールの製造の際には高炉スラグや天然岩石を1500℃以上という高温で溶かしてから加工します。これは裏を返せば、1500℃という温度がなければ変形や変質が起こらないということです。高い温度にも耐えるロックウールは熱や炎に対して強い耐性を発揮してくれます。
耐火被覆材はよく「アスベストと同じようなものでは?」と心配されますが、ロックウールはアスベストとは全く異なります。安全性が高くリサイクルも可能というメリットがあることから、多くの現場で採用されています。
・スプレエース
スプレエースはロックウールにセメントをブレンドした耐火被覆材です。専用の吹き付け機械を使ってスプレエースを圧送することで、鉄骨への吹付けが可能となります。
スプレエースの吹付けの際には、専用機器のノズル先端から水分が噴射されます。この水分によってスプレエースを湿潤させながら吹き付け、その後乾燥させて仕上げます。
スプレエースは不燃性で炎が触れても発煙が起きず、有毒ガスの発生もありません。
吹き付けた層には細かい空気孔が無数に作られるため、吸音性能が高まりやすくなります。
スプレエースの中でも発塵性が少ないタイプがスプレエースSWです。スプレエースSWは現場でセメントをスラリー化して圧送する仕組みになっています。
・マキベエ
マキベエはニチアス株式会社によって開発された耐火被覆材です。
その名の通り巻き付けて使うタイプの耐火被覆材マキベエには、同社が独自開発した耐熱ロックウールが採用されています。マキベエの表面加工は着色不織布で、施工中に発塵がほとんど起きないのが特徴的です。
専用の固定ピンをスタッド溶接するという手軽な方法で固定ができるのもマキベエの良さです。作業がしやすく安定的に使えるため、最近ではマキベエが多くの現場で使われるようになってきました。
■まとめ
今回は耐火被覆材の種類や特徴について詳しく紹介してきました。
耐火被覆材には吹き付けて使うタイプのほか、塗料やシートといったタイプもあります。それぞれ仕上がりの雰囲気や性能が異なるため、建物の状況に応じて最適なものを選ぶことが大切です。
建物の耐火性能は気になるものの、どんな施工をしたらいいか分からないと悩まされる方もいると思います。耐火被覆の施工に関する問題は、豊富なノウハウを持つ専門業者を選んで相談するのが安心です。
實川耐工は、関東全域で耐火被覆工事を数多く手掛けています。
施工スピードが早く、他社と比較して仕上がりがきれいなのが實川耐工の工事の強みです。性能だけでなく見た目の部分までこだわって施工をしているので、きっと仕上がりにご満足いただけるはずです。
「建造物の劣化が気になる」「鉄骨の建物の耐火性を高めたい」など、建物のお悩みがありましたらぜひお声がけください。建物の状態に応じて最適な対処法をご提案させていただきます。