ロックウールとアスベストの見分け方は?それぞれの特徴やよく使用されている場所を紹介!  

皆さん、はじめまして。東京都江戸川区を拠点に耐火被覆工事を手掛けている實川耐工です。


建物の中に使用されている建材は、本当に安全なものでしょうか。ロックウールとアスベストなどの素材は、建築業界で広く使われてきましたが、その安全性には大きな違いがあります。


今回の記事では、ロックウールとアスベストの見分け方やそれぞれの特徴、よく使われている場所についてご紹介します。





■アスベストとは?



アスベストは、かつてその優れた物性から建築材料として広く使用されていた天然の繊維状鉱物です。石綿とも呼ばれ、非常に柔軟で耐熱性があり、絶縁性も高いため、断熱材や防火材、防音材としてかつては重宝されていました。


アスベストの繊維は非常に細かいので、空気中に漂うと簡単に吸い込めるだけではなく、排出しにくいという特徴があります。このため、アスベストを含む建材が劣化したり、解体作業などで粉塵が飛散したりすると、人体に大きな健康被害をもたらす可能性があります。

吸い込んだアスベストが肺に蓄積されてしまうと、長期間にわたって肺の健康を脅かすことになります。具体的には、肺がんや悪性中皮腫といった重篤な病気を引き起こすリスクが高まるでしょう。


このような健康被害が社会問題となった結果、現在ではアスベストの製造や使用は法律によって厳しく規制されています。ですが、過去に使用されたアスベストは多くの建物に残っています。その除去には、専門的な知識と技術が必要です。除去作業中にアスベストが飛散しないようにするためには、厳密な安全管理と適切な保護具の使用が必要不可欠なのです。また、アスベストを含む廃棄物は、法律に基づいて適切に処理しなければなりません。


私たちが日常生活の中でアスベストに触れる機会は少なくなりましたが、その危険性を理解し、過去に使用されたアスベストに対する適切な対応を行うことが重要です。




■アスベストと似ている素材 「ロックウール」とは?



ロックウールは、鉱物を原料として製造される人工の繊維で、主に断熱材や防音材として使用されます。この製造には、鉄の製造過程で生じる高炉スラグや天然の玄武岩を1,500度以上の高温で溶かし、その後、遠心力を利用して繊維状に加工する手法が用いられます。


ロックウールは非常に高い耐火性と優れた断熱性を持ち、さらにその細かい繊維の間に多くの空気が含まれることで、吸音性も高いでしょう。そのため、住宅やビルなどの建築物において、音や熱の遮断材として活躍しています。湿気にも強いため、カビや腐食の心配が少なく、環境への影響も低いとされているのです。




■アスベストとロックウールの見分け方は?



ロックウールはアスベストと混同されることがありますが、全く異なる物質です。アスベストが健康被害を引き起こす可能性があるのに対し、ロックウールは安全性が確認されており、安心して使用できる素材です。近年では、その環境負荷の少なさと安全性から、ロックウールはエコロジー建材としても注目されています。


アスベストとロックウールの見た目は非常に似ているため、判別するのは簡単ではありません。ここからは、アスベストとロックウールはどのように見分ければよいのか、見分けるポイントをご紹介します。


・見た目での識別

アスベストは、白色や青色、灰色などの繊維状で、もこもことした見た目をしています。一方、ロックウールは緑色や黄土色を帯びていることが多いです。



・指で触れた感触

アスベストは指でこすっても繊維が砕けず、繊維状のままですが、ロックウールは指でこすると粉々に砕け、繊維状には見えなくなります。



・酸を用いた見分け方

アスベストに酢をかけても溶けることはありませんが、ロックウールは酢酸に浸すと溶け始めます。この方法で材質を確認できます。



・時代による区別

1970年代以前の建物ではアスベストが使われている可能性がありますが、それ以降の建物ではロックウールが主に使用されています。2000年代以降の建物では、アスベストが使用される可能性は低いでしょう。このように、築年数によってもアスベストとロックウールを見分けることができます。




■アスベストを含む可能性がある建材とよく使用されている場所とは?



今度は、アスベストを含む可能性がある建材とよく使用されている場所について見ていきましょう。



・吹付けアスベスト

吹付けアスベストは、セメントや水を混ぜて使用される建材で、主に鉄骨造の柱や梁に使われています。特に空調機械室やボイラー室の天井、エレベーター機械室の壁において断熱や耐火効果を発揮します。



・波板スレート

スレートは、古い建物においてアスベストを含む可能性がある建材の一つで、特に屋根材や外壁材に使用されることが多いです。これらの建材は耐久性と耐火性に優れているため、工場や倉庫などの大型施設で広く利用されてきました。波型スレートはその形状により耐久性が高く、騒音や火気の多い環境に適しています。2004年以前に製造されたスレートにはアスベストが含まれている可能性があるため、注意が必要です。



・折板裏打ち石綿断熱材

折板裏打ち石綿断熱材は、鋼板屋根の裏に使用されるアスベストを含む断熱材です。倉庫や車庫、渡り廊下などで見られ、表面がスポンジ状であるため、熱や音を効率的に遮断します。




■まとめ



アスベストは、優れた耐熱性や絶縁性を持つ天然の繊維状鉱物で、かつて建築材料として広く使われていましたが、健康被害が問題視されています。ロックウールは、高炉スラグや玄武岩を原料とする人工繊維で、断熱材や防音材として利用されています。耐火性と吸音性が高く、アスベストと異なり人体に無害で、環境への影響も少ないとされています。


アスベストとロックウールは見た目が似ているため、判別するのは難しいです。見分ける際は、指で触れた感触や酸、築年数に注目しましょう。またアスベストは、吹付けアスベストや波板スレート、折板裏打ち石綿断熱材などの建材や場所に使用されることが多いです。アスベストの除去には専門的な技術と技術が必要です。廃棄物も適切に処理しなければなりません。




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