セラタイカと一般的な耐火被覆の違いとは?メリット・デメリットと選定基準をプロが徹底解説

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皆さん、こんにちは。

東京都江戸川区を拠点に耐火被覆工事を手がけている、株式会社實川耐工です。



耐火被覆を検討しているビルオーナーや不動産管理会社、改修工事を担当する事業者の方のなかには、

「そもそも、セラタイカと一般的な耐火被覆(ロックウール等)は何が違うのか?」

「コストが高くなると聞くが、あえてセラタイカを指定するメリットはどこにあるのか?」

と疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。


耐火被覆は、建物の安全性はもちろん、完成後の資産価値やメンテナンスコストにも大きく関わる重要な要素です。しかし、専門的な情報が多く、カタログスペックだけでは判断が難しいのも事実です。


この記事では、現場で数多くの耐火被覆工事を手がけてきたプロの視点から、セラタイカと一般的な耐火被覆の違いを整理し、コスト・意匠・性能のバランスをどう考えるべきか、分かりやすく解説します。




■セラタイカと「耐火被覆」の根本的な違い



まず押さえておきたいのは、「耐火被覆」という言葉の定義です。「セラタイカ」は耐火被覆の一種ですが、両者は同列の言葉ではありません。



・「耐火被覆」は工法や材料の総称のこと

「耐火被覆」とは、火災時に建物の骨組みである鉄骨が高温になるのを防ぎ、一定時間、構造耐力を保つために施される処理や材料全体を示します。ロックウール吹付け、耐火被覆材の成形板、耐火塗料など、工法や素材は複数あり、建物用途や部位によって使い分けられています。



・セラタイカは「製品名(素材名)」

一方、「セラタイカ」は、エスケー化研株式会社が製造するセラミック系耐火被覆材のブランド名です。つまり「耐火被覆」という大きなカテゴリーの中に、選択肢の一つとしてセラタイカがある、という関係になります。



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■セラタイカと一般的な耐火被覆の4つの違い



耐火被覆材を検討する際に、ポイントとなるのが、厚み、意匠性、耐久性、機能性の4つになります。



1.厚みの違い

セラタイカの大きな特長の一つが、必要とされる被覆の厚みが薄いことです。たとえばセラタイカ2号は、厚さ10㎜で1時間耐火、厚さ20㎜で2時間耐火の認定を取得しています(認定条件に適合する場合)。これは、火災時に一定時間、鉄骨の強度を保つことができるという意味です。


一般的なロックウール系耐火被覆では、同じ耐火性能を確保するために25㎜から45㎜以上の厚みが必要になる場合があります。

被覆が薄くなると、天井裏の配管ダクトとの干渉を防げるだけでなく、天井高を高く取れたり、梁の下の有効高さを確保できたりするため、開放感のある空間づくりにつながります。



2.意匠性・見た目の違い

セラタイカは、オフホワイト系の色味で仕上がりが均一なため、清潔感のある見た目になります。一方、ロックウール吹付けは綿状で凹凸が出やすく、ホコリも吸着しやすいため、天井裏に隠す前提で使われることが一般的です。


近年カフェやオフィスで増えている「スケルトン天井(鉄骨現し)」のデザインでは、耐火被覆材そのものがインテリアの一部となります。材料の見た目が空間の質を左右するため、美観に優れるセラタイカが指名されるケースが増えています。



3.耐久性・硬度の違い

セラタイカは表面硬度が高く、施工後に粉塵が出にくいという特性があります。風雨や外部からの衝撃にも比較的強く、鳥がつついて被覆が剥がれる「鳥害」が起こりにくいことから、駐車場や渡り廊下、半屋外空間での採用事例も多く見られます。


対して一般的なロックウール系材料は柔らかいため、経年での剥がれや欠損が生じやすく、定期的な補修が必要になる場合があります。



4.機能性の違い

セラタイカは耐火性能だけでなく、遮音性の面でも特長があります。

ホテルや集合住宅など、上下階や隣戸への音漏れ対策が重視される建物でも、セラタイカは遮音性を備えた耐火被覆材として、有力な選択肢になります。


また、セラタイカはウレタン断熱材の上に施工することで、不燃認定に対応できる点も特長です。冷凍・冷蔵倉庫では断熱性とコストの面から可燃性のウレタン断熱材が広く用いられますが、そのままでは建築基準上の不燃要件を満たせない場合があります。セラタイカで表面を被覆すれば、ウレタンの断熱性能を生かしながら不燃化を図ることができます。


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■セラタイカシリーズの製品ラインナップと使い分け



セラタイカには、建物の用途や施工条件に合わせて選べるいくつかのタイプがあります。どの製品を選ぶかで、仕上がりや施工方法が変わってきます。



・セラタイカ2号(セラミック系耐火被覆材)

吹付け工法で施工される代表的な製品で、薄塗りで高い耐火性能を確保できるのが特長です。スケルトン空間のように、鉄骨が見える空間で、意匠性と性能の両立が求められる場合に多く採用されています。



・SKタイカコート(耐火塗料)

「SKタイカコートHS」は、2液反応硬化型の耐火塗料です。複雑な形状の部材にも対応しやすく、塗装感覚で施工できるため、改修工事で選ばれるケースもあります。



・SKタイカシート(シート状耐火被覆材)

工場で成形されたシート状の材料のため、現場での作業がシンプルになります。施工品質のばらつきが少なく、安定した仕上がりが得られやすい点が特長です。




■セラタイカが選ばれる代表的な施工事例



ここまで紹介した特長は、実際の建物でどのように生かされているのでしょうか。用途別に、採用のポイントを見ていきます。



・物流施設、倉庫

「ロジクロス」や「GLP」といった大型物流施設では、ランプウェイや半屋外エリアでの採用が増えています。フォークリフトなどの接触リスクがある環境でも被覆が欠損しにくく、ウレタン断熱材の不燃化にも対応できるのポイントです。



・スタジアム、公共施設、商業施設

「エディオンピースウイング広島」や「横浜スタジアム」などでは、露出した鉄骨の美観と高い耐久性を両立するためにセラタイカが採用されています。不特定多数の人が利用する施設では、とりわけ見た目とメンテナンス性の両立が重要になります。




■耐火被覆の選定基準と注意点



耐火被覆材を選ぶ際は、性能だけでなく法的要件やコスト構造も踏まえた判断が必要です。実用面から見て、押さえておきたいポイントを整理します。



・大臣認定番号の確認は必須

耐火被覆は、建築基準法にもとづく国土交通大臣認定を受けた仕様であることが前提になります。

セラタイカは大臣認定を取得した耐火被覆材ですが、認定は一つではなく、梁や柱の形状、鋼材の種類、必要な耐火時間などの条件ごとに個別に定められています。たとえばH形鋼と鋼管では適合する認定番号(FP060BM、FP120CNなど)がそれぞれ異なり、同じ建物でも部位によって仕様が変わります。


そのため、まずは建物の構造や用途に合わせて適切な仕様を選び、その仕様に適合する認定番号を確認するという手順が必要になります。

条件に合わない仕様で施工してしまうと、完了検査が通らない、追加工事が必要になるといった手戻りの原因になりかねません。


オーナーや管理担当者の方がこれらを自力で判断するのは難しいのが実情です。

耐火被覆の実績が豊富な専門業者であれば、図面や建物条件を踏まえて適切な仕様を提案し、認定に基づいた確実な計画を立てることができます。まずは専門業者に相談し、認定の観点からも問題のない仕様になっているか確認することが安心です。



・コストと付加価値のバランス

耐火被覆の費用は材料代だけで決まるものではありません。足場の設置や下地調整、施工にかかる手間、将来の補修やメンテナンスまで多くの要素が関係します。


また建物の用途や構造、施工範囲が違えば最適な方法も変わり、同じ材料でも現場条件によって工期や総額に差が生まれます。検討には足場計画や工程管理の知識も必要になるため、オーナー側で見極めるのは簡単ではありません。


判断を誤ると追加費用や手戻りにつながるため、耐火被覆から関連工事まで一体で手掛ける専門業者に相談することが、結果的に最も確実です。




■まとめ



セラタイカは、耐火被覆という大きなカテゴリーの中にある一つの選択肢であり、一般的なロックウール系材料とは、厚みや意匠性、耐久性、機能性の面で異なる特長を持っています。被覆を薄くできるため空間デザインの自由度が高く、見た目の美しさやメンテナンス性にも配慮できます。用途によっては遮音性や不燃化といった付加的な性能も期待できます。


とはいえセラタイカにはさまざまなタイプがあり、現場の状況に応じて的確な選択が必要です。また耐火被覆は大臣認定に基づく仕様でなければならず、構造や部位に応じた確認が不可欠です。費用も材料代に加えて、足場や工程、将来の補修まで含めて考える必要があります。

材料・法的要件・施工条件をトータルで判断できる専門業者に相談するのが得策です。




■耐火被覆工事でお困りなら、株式会社實川耐工にお任せください。



耐火被覆は、火災時に建物の躯体(骨組み)を守り、避難時間と安全性を確保するための重要な要素です。ご紹介してきたように、耐火被覆の選定や施工には、材料の特性だけでなく大臣認定、工程計画、将来のメンテナンスまでを見通した判断が欠かせません。さらに改修工事では、既存建材にアスベストが含まれる可能性を踏まえた調査や対策が必要になる場合もあり、専門的な知見が求められます。


株式会社實川耐工は、耐火被覆工事の専門業者として、調査から施工までワンストップで対応しています。図面の確認や仕様検討の段階から関わることで、建物に合った材料選びと確実な施工計画をまとめることができます。アスベスト対策が必要な現場でも、調査・除去・耐火被覆まで一体で進められる体制を整えており、複数業者に分ける場合に比べて工程と品質を一貫して管理できます。


また、現場ごとの条件に合わせた施工スピードと仕上がりの美しさに定評があり、物流施設や商業施設、公共施設など幅広い実績があります。状況に応じた工法の提案や工程調整にも柔軟に対応し、安心してお任せいただける体制を整えています。


東京都江戸川区を拠点に関東一円へ対応しており、遠方の案件でも迅速にサポート可能です。耐火被覆やアスベストに関する調査・工事は、専門家である弊社にお任せください。無料相談・お見積もりも承っていますので、まずはお気軽にご相談ください。



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