アスベスト事前調査が不要な場合とは?対象外になる条件と、みなし判定についてわかりやすく解説


皆さん、こんにちは。

東京都江戸川区を拠点に、関東一円で耐火被覆工事を手掛けている株式会社 實川耐工です。


かつては耐火、断熱、防音などの目的で、建築工事において多用されてきたアスベストですが、今では健康障害を起こすことが知られています。そしてアスベストを使用している建物は、不動産取引の際に資産性が下がる可能性も。また解体工事において、アスベストが飛散して近隣住人とトラブルになるリスクも考えられます。


法改正によりアスベストに関する規制は強化されており、改修工事や解体工事などを行う時、アスベスト事前調査を実施することが法律で義務付けられています。

事前調査はそれなりに手間も費用もかかるので、工期の遅れや費用アップを招いてしまうことも。ただし、アスベスト事前調査が不要なケースや、工程を省略できるケースもあることをご存じですか?


今回は、アスベスト事前調査が不要な場合となる工事や、工程を省略できる「みなし判定」について解説します。




■法律で義務化されているアスベストの事前調査とは?



アスベストの事前調査は、リフォームや解体工事において、一部の例外を除いてすべての工事において実施することが義務付けられています。


遵守しないと大気汚染防止法に基づいて、最大30万円の罰金が課せられることも。

またアスベスト除去作業などにおける措置義務に違反した場合は、最大30万円以下、または三カ月以下の懲役刑が課せられることになります。


アスベスト事前調査は、大きく4つのフローに分けられます。

まずは「書面調査」。設計図や施工記録などの書面に基づいた調査です。

次は「目視調査」。書面調査の結果をもとに、現地で目視確認を行います。


書面調査や目視調査の結果でアスベストの含有が判別できない場合は、必要に応じて建物のサンプルを採取し、分析機関で調べる「分析調査」を行います。


そして「事前調査報告書の作成」です。調査結果として、アスベストを含有する建材と、含有しない建材が整理され、処理方法や今後の工事の安全対策を決定するための資料となります。


とりわけ、以下の条件の工事は、調査結果の報告は義務であることに留意しましょう。


・解体する場所の延床面積が80㎡以上となる工事
・請負代金の合計額が100万円以上(税込)となる建築物の改造・補修工事



もちろん、これらの二つの条件を満たさなくても、すべての工事において事前調査が必要となります。ただし例外的に、アスベストの事前調査が不要になるケースがあります。




■アスベスト事前調査が不要な場合とは



では、どのようなケースにおいて、アスベストの事前調査が不要になるのでしょうか。

主に3つのケースが該当します。



・アスベスト含有の心配がない素材の場合

木材やガラス、石、金属、畳など、アスベストを含有しないことが明白な素材で構成された建材の除去作業においては、事前調査は不要です。

ただし、周囲の建材にアスベスト含有のおそれがあるため、周囲の建材にも損傷を与えてしまう工事の場合は、事前調査が必要です。



・作業が軽微でアスベストの飛散リスクがない場合

アスベストが含まれる建材だとしても、新たに穴を開けたり、切断したりしなければ飛散リスクはありません。アスベストを含む建材を損傷させない軽作業の場合は、事前調査は不要です。たとえば手作業で釘や鋲を打ったり抜いたり、ネジやボルトをはずす、といった作業が該当します。

ただし電動工具で建材に穴をあける場合はNG。事前調査が必要になるので注意しましょう。



・現存する建材・設備等は除去せず、新たな材料を追加する作業のみの場合

アスベストが含まれる建材が使われていても、それを除去せず、新たに材料を追加する作業については、事前調査は不要です。

たとえば現在の塗装の上からさらに塗料を塗ったり、単に材料を追加したりするといったケースが該当します。

対して既存の塗装を剥がす工程が生じるのなら、これはNG。壁紙の張り替えも事前調査の対象になります。




■事前調査が不要な場合も? また分析調査が省略できる「みなし判定」とは?



ただし条件によっては、事前調査が不要になります。それは、改修や解体工事を行う建物が2006年(平成18年)9月1日以降に着工・建設された場合です。


またアスベスト事前調査は、1書面調査/2目視調査/3分析調査の順に行われますが、2006年9月1日以前に建てられた建物でも、「3分析調査」を省略することが可能です。


なぜ「3分析調査」を省略することにメリットがあるのでしょう。というのも、アスベスト事前調査では、対象となるのは「工事ごと」。それなりに費用と手間がかかり、工期も長くなり、建物のオーナーや管理者さまの頭の痛いところでしょう。しかし「みなし判定」を選べば、「3分析調査」を省略し、事前調査を短くできることもあるのです。


「みなし判定」は、すべてにアスベストが使用されているという前提でアスベスト分析工程を省き、処理や除去作業を進めることです。この手法は厚生労働省によって認められており、「分析を行う費用と手間」と「みなし判定をしてすべてアスベストとして処理する費用と手間」を比較して、より良いほうを選ぶことが推奨されています。


建物の規模が大きいと、分析だけでもかなりの費用と手間がかかりますが、分析をしたものの、アスベスト使用が判明したとなれば、さらに除去と処理の費用・手間がかかってしまいます。


あらかじめアスベストが使用されている可能性が高い場合は、使用されているという前提で進めたほうが、分析にかかる費用と手間を抑えられる……というわけです。


特に1960年代から1980年代に建てられた建物は、アスベストが建材に使用されている可能性が高いため、みなし判定の対象となるケースが多くあります。


ただし「みなし判定」を選択したからといって、書面調査や目視調査、報告書作成が省けるわけではないのでご注意を。報告を怠ると、行政指導や罰則対象となる可能性があります。


》解体工事の前に知りたい!アスベストが使用されている建物の年代を判定する方法とは?




■株式会社實川耐工なら、アスベスト除去から耐火被覆工事までワンストップ



改修などで耐火被覆工事を行う場合、アスベストが含まれていると、飛散防止剤を散布したり、負圧除塵装置を使用したりして、アスベストの飛散を防止しながら除去し、さらに耐火被覆工事を行うことになります。


アスベストは手作業で除去するので、その除去や清掃には、きわめてデリケートで高度な技術が求められます。またさらに耐火被覆を施すとなると、アスベスト除去も耐火被覆工事も、同じ業者がワンストップで行うのがベスト。1社で手掛けることにより安心で正確な作業が行えるだけでなく、複数の業者に依頼するよりもリーズナブルに済みます。


東京都江戸川区を拠点に関東一円の耐火被覆工事を手掛ける株式会社實川耐工は、アスベスト除去から耐火被覆工事まで一気通貫で行えるのが強みです。


抜群の施工スピードと仕上がりの美しさに定評があります。またお客様の急なお困りごとにも迅速に対応可能。現場の状況や被覆材の劣化具合に合わせた工法を瞬時に判断し、臨機応変な対応力と柔軟性を持って施工いたします。


東京都以外にも、関東一円の耐火被覆工事に対応しており、遠方の作業にも駆けつけます。耐火被覆工事を施したい建物が、アスベストを含有している可能性が高いけれども、安心して任せられる業者が見つからない……とお悩みの所有者や管理者の方は、弊社までお気軽にご一報ください。



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