皆さん、こんにちは。東京都江戸川区を拠点に、関東一円で耐火被覆工事を手掛けている株式会社實川耐工です。
鉄骨梁貫通部の耐火被覆で、従来の吹付けロックウールでは厚みや納まりが気になる場合に選択肢となるのが、アクシス株式会社の「パイロンバリアー」です。パイロンバリアーは、厚さ12mmを基本に、条件に応じて最大3時間耐火に対応する高性能な鉄骨梁貫通部用耐火被覆材です。
一方で、製品名は聞いたことがあっても、「従来工法と何が違うのか」「どのような現場で採用するとメリットがあるのか」までは分かりにくいかもしれません。
この記事では、パイロンバリアーの特徴や従来の吹付けロックウールとの違い、採用するメリット、施工時の注意点について、耐火被覆工事のプロの視点で分かりやすく解説します。
■パイロンバリアーとは?鉄骨梁貫通部に使う耐火被覆材

まずは、パイロンバリアーがどのような場所に使われる製品なのか、基本的な特徴を押さえておきましょう。耐火時間や規格を確認しておくことで、従来工法との違いも理解しやすくなります。
・鉄骨梁貫通部用の高性能耐火被覆材
パイロンバリアーは、アクシス株式会社が開発・製造する、鉄骨梁貫通孔用の高性能耐火被覆材です。鉄骨梁に設備配管を通すための貫通孔を設けた際、貫通孔の内側に取り付けて耐火性能を確保します。
その大きな特徴は「非膨張性」であることです。火災時に膨らんで隙間をふさぐタイプではなく、あらかじめ決められた厚さの材料で耐火性能を確保します。このため、熱膨張を見込んで余分な隙
間を取る必要がなく、スリーブ計画を立てやすい点が評価されています。
・12mm厚で国土交通大臣認定を取得した高い性能
パイロンバリアーは、厚さ12mmを基本に、1時間・2時間・3時間耐火の国土交通大臣認定を取得している鉄骨梁貫通部用の耐火被覆材です(3時間耐火では条件によって23mm厚の製品を使用する場合があります)。
従来の吹付けロックウールでは、耐火時間が長くなるほど必要な被覆厚も大きくなります。パイロンバリアーは薄くても耐火性能を確保できるため、梁貫通部まわりをすっきり納めやすく、設備配管との取り合いという点でもメリットがあります。
・SMA、SMPとは?耐火時間に応じた規格とサイズ展開
パイロンバリアーには、厚さ12mmのSMAと、厚さ23mmのSMPがあります。SMAは1時間・2時間・3時間耐火に対応する基本の規格で、SMPは3時間耐火専用の規格です。
つまり、すべての現場で同じ製品を使えばよいわけではなく、必要な耐火時間や貫通孔径などに合わせて適切な規格を選ぶ必要があります。
パイロンバリアーはφ100から幅広い貫通孔径に対応していますが、実際の選定では、梁のサイズや補強材との取り合いも確認しながら決めることが大切です。
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■従来の「吹付けロックウール」とパイロンバリアーの違い

パイロンバリアーの特徴は、従来の吹付けロックウールと比べると分かりやすいでしょう。どちらにも適した使い方がありますが、梁貫通部のように寸法が限られる部分では、必要な被覆厚の差が大きなポイントになります。
・耐火時間ごとの必要厚さの比較
従来の吹付けロックウールでは、耐火時間が長くなるほど必要な被覆厚も大きくなります。一方、パイロンバリアーは12mm、または条件により23mmで耐火性能を確保できます。
下記のように、特に2時間・3時間耐火では、必要厚さの差が大きくなります。梁貫通部のまわりに十分なスペースを確保しにくい現場では、この違いが配管の納まりや施工計画を左右します。

・「非膨張性」によるスリーブ計画のメリット
パイロンバリアーは、火災時に膨張して隙間をふさぐタイプではなく、決められた厚さで耐火性能を確保する非膨張性の耐火被覆材です。そのため、膨張する分を見込んで設備配管のまわりに大きな余裕を取る必要がありません。
設計時に12mm厚を前提としてスリーブ径を検討できるため、梁貫通部の有効寸法を読みやすくなります。配管ルートや補強材との取り合いを考えるうえでも、寸法を把握しやすいことは大きなメリットです。
また、吹付けロックウールと併用する現場でも、パイロンバリアー部分に吹付けロックウールが付着しても問題ないとされています。梁貫通部はパイロンバリアーで薄く納め、梁や柱など、まとまった面積は吹付けロックウールで施工するなど、現場に合わせて使い分けられる点もメリットです。
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■パイロンバリアーを採用する4つのメリット

パイロンバリアーのメリットは、被覆厚を抑えられることだけではありません。梁貫通部を薄く納められることで、設備配管の計画や鉄骨補強、現場での施工管理にも影響します。ここでは、パイロンバリアーを採用する主なメリットを4つに分けて見ていきます。
1. スリーブ径の有効活用(配管計画の自由度向上)
パイロンバリアーの大きなメリットは、被覆厚を抑えられる分、貫通孔の中で設備配管に使える有効寸法を確保できることです。従来工法では、耐火被覆の厚みによってスリーブ内部の有効寸法が小さくなり、配管の納まりが難しくなることがあります。
特に改修工事では、既存の梁や設備ルートがすでに決まっているため、わずかな寸法差が施工性に影響します。12mm厚で納められるパイロンバリアーを使うことで、限られたスペースの中でも配管計画を立てやすくなります。
2. 貫通孔の縮小による補強材のコストダウン
パイロンバリアーの使用を前提に設備スリーブを決めると、必要以上に大きな貫通孔を設けずに済む場合があります。貫通孔を小さくできれば、補強プレートや補強リングのサイズダウンにつながり、補強材の重量や費用を抑えられます。
梁貫通部は、穴を開ければよいというものではありません。構造上の安全性を確保するため、貫通孔の大きさに応じた補強が必要です。被覆厚を薄くできることは、設備配管だけでなく、鉄骨補強の計画にも関わる重要なポイントです。
3. 梁成を抑え、階高に余裕を持たせやすい
設計段階からパイロンバリアーの採用を検討しておくと、梁成(はりせい)を抑えた計画も可能です。梁成とは、梁そのものの上下方向の寸法のことです。パイロンバリアーで貫通孔まわりを薄く納められれば、設備配管のために必要以上に大きな貫通孔を設けずに済み、梁成や天井内の設備スペース、階高計画への影響を抑えられます。
また、パイロンバリアーは、鉄骨梁の貫通孔を補強するハイリングやOSリングと併用できます。ハイリングやOSリングとは、梁にあけた貫通孔まわりを補強するためのリング状の補強材・補強工法です。ハイリング併用では梁成の2/3以下、OSリング併用では梁成の63.13%以下の貫通孔径で使用可能とされています。
4. 施工・監理が容易で工期短縮に貢献
吹付けロックウールの場合、所定の厚さを確保できているか、現場で確認しながら施工する必要があります。これに対してパイロンバリアーは製品厚が決まっているため、目視で施工状況を確認しやすいのが特徴です。
現場監理の立場から見ても、浮き、剥離、隙間、ぐらつきがないかを確認しやすく、品質管理の面でもメリットがあります。施工範囲が梁貫通部に限られるため、工程の見通しも立てやすく、改修工事で工期を抑えたい場合にも有効です。
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■パイロンバリアー施工前に確認すべき条件と手順

パイロンバリアーは、少ない厚みで耐火性能を確保できる一方、国土交通大臣認定で定められた仕様・使用条件に沿って使うことが前提です。ここでは、補強リングと併用する場合の注意点と、実際の施工手順で確認すべきポイントを見ていきます。
・補強リング(ハイリング・OSリング等)を使用する場合
ハイリングやOSリングなどの補強リングと併用する場合は、補強リング側の仕様だけでなく、パイロンバリアー側の仕様・使用条件も確認します。併用できる工法であっても、貫通孔径や梁の寸法、製品幅などが条件から外れると、認定どおりの耐火性能を確保できないためです。
たとえば、パイロンバリアーの製品幅は、補強材の幅以上である必要があります。あわせて、貫通孔径が使用条件の範囲内であるか、梁の寸法や鋼材種別が適合しているかも確認します。単に「部材が入るかどうか」だけで判断せず、国土交通大臣認定で定められた仕様・使用条件に合っているかまで見ることが大切です。
・施工手順のポイント
施工では、まず貫通孔小口部のゴミやほこりを清掃し、製品がしっかり接着する状態にします。次に、貫通孔径に合ったパイロンバリアーを確認し、製品を円筒状にして、接続部をアルミガラスクロステープで貼り合わせます。
その後、貫通孔断面の中心に合うように仮設置し、粘着テープの離型紙を剥がしながら貫通孔小口部へ接着固定します。このとき、接続部が上部にくるように設置する点もポイントです。
最後に全体を押さえ、浮き、剥離、隙間、ぐらつきがないかを目視で確認します。細部の確認を怠ると耐火性能に関わるため、施工要領に沿った確実な作業が欠かせません。
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■パイロンバリアー施工を耐火被覆の専門業者に依頼すべき理由

梁貫通部には配管や補強材との取り合いがあり、仕様・使用条件を確認したうえで、現場ごとにパイロンバリアーを正しく納めなければなりません。耐火性能を確実に確保するには、深い製品知識と豊富な現場経験の両方が求められます。
・建物の安全を守る確実な施工技術
パイロンバリアーは、決められた仕様・使用条件どおりに施工してこそ性能を発揮します。貫通孔小口部の清掃不足、製品の浮き、テープの貼り不足、隙間の見落としなどがあると、認定どおりの耐火性能を確保できないおそれがあります。
耐火被覆は、万が一の火災時に人命や財産を守るための重要な工事です。だからこそ、国土交通大臣認定で定められた内容を理解し、隙間や剥離を残さず施工できる技術力が欠かせません。見えにくい部分まで確実に仕上げるには、現場経験のある専門業者の判断が必要です。
・現場に合わせた最適な耐火被覆工法の提案
パイロンバリアーは梁貫通部に有効ですが、建物全体の耐火被覆をすべて同じ工法で行う必要はありません。梁貫通部はパイロンバリアーで薄く納め、柱や梁の一般部には吹付けロックウールやマキベエを用いるなど、現場に応じた使い分けが重要です。
株式会社實川耐工では、改修内容や既存の耐火被覆の状態、工期、コストを踏まえ、最適な工法を組み合わせてご提案できます。パイロンバリアーだけでなく、吹付けロックウールやマキベエ、既存被覆の撤去・再施工まで含めて対応できるため、建物全体の耐火被覆工事を一括してご相談いただけます。
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■まとめ:耐火被覆工事でお困りなら、株式会社實川耐工にお任せください。

パイロンバリアーは、鉄骨梁貫通部に使う高性能な耐火被覆材です。12mmまたは23mmという少ない被覆厚で耐火性能を確保できるため、スリーブ径の有効活用、補強材や梁成寸法のサイズダウン、施工・監理のしやすさといったメリットがあります。
ただし、パイロンバリアーは認定条件に沿った施工が前提です。補強リングとの併用条件、貫通孔径、製品幅、施工手順を正しく確認しなければ、本来の性能を発揮できません。
東京都江戸川区を拠点に関東一円で施工を手がける株式会社實川耐工は、耐火被覆工事の専門業者として、改修・リニューアル工事における既存耐火被覆の調査、アスベスト等の除去、パイロンバリアーなどを用いた施工まで、一気通貫で対応しております。
圧倒的な施工スピードと仕上がりの美しさ、予算や現場の状況に合わせた臨機応変な対応力、そして豊富な経験に基づく提案力が弊社の強みです。
耐火被覆に関する調査や工事でお困りの方は、専門家である株式会社實川耐工にお任せください。無料相談・お見積もりにも対応しておりますので、ビルオーナー様、不動産管理会社様、改修工事業者様もお気軽にご相談ください。
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